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2026年8月 7日

お知らせ

データマイニング分野の難関国際会議KDDにNTTから2件採択

2026年8月9日~13日に韓国・チェジュで開催される、データマイニングの国際会議KDD2026(32nd ACM SIGKDD Conference on Knowledge Discovery and Data Mining)に、NTTの研究所より提出された2件の論文が採択されました。これまでもKDDでは、大規模データ分析や知識発見をはじめとする、データマイニングに関する世界的に注目度の高い分野における研究成果が報告されています。またKDD2026の論文採択率は約19%(投稿数4,164件)と、難関国際会議として知られています。

所属としてそれぞれ略称で書かれている研究所名は、以下の通りです。
人間研:人間情報研究所
CD研:コンピュータ&データサイエンス研究所
CS研:コミュニケーション科学基礎研究所

■Fast Vector Quantization Algorithm for ScaNN
(ScaNNのための高速ベクトル量子化アルゴリズム)

藤原 靖宏 特別研究員(CS研)、ロペス アンヘル 研究員(CS研)、井田 安俊 特別研究員(CD研)、熊谷 充敏 特別研究員(CD研)、中野 允裕 主任研究員(CS研)、中辻 真 特別研究員(人間研)、木村 昭悟 主席研究員(CS研)

ベクトル量子化はベクトルを符号語に置き換える手法であり、大規模データに対する内積を用いた類似検索を高速かつ高精度に実現するために広く用いられています。ScaNNはベクトル量子化の代表的な手法の一つで、量子化誤差が最小となる符号語をベクトルと置き換えることで、高い近似精度を実現します。しかしScaNNは置き換えにおいてすべての符号語に対して誤差計算を行う必要があるため計算コストが高く、大規模データセットでは量子化処理が非常に遅くなるという課題がありました。本研究では量子化誤差の上限値と下限値を高速に計算し、量子化誤差が最小となりえない符号語を枝刈りすることで、ScaNNの検索精度を維持したまま、ベクトル量子化を大幅に高速化しました。本手法は画像検索や自然言語処理などの応用において、大規模データ処理の実用化を促進することが期待されます。

■Moment Matters: Mean and Variance Causal Graph Discovery from Heteroscedastic Observational Data
(不均一な分散を持つ観察データからの平均・分散因果グラフの発見)

近原 鷹一 研究主任(CS研)

因果グラフ推定は、複雑な未知現象を観察して得られたデータから「何が何に影響しているか」を推定する技術です。しかし従来技術は、原因が結果の「平均」を変えるのか、「ばらつき(分散)」を変えるのかを区別できず、複雑な現象の理解や介入設計に限界がありました。本研究では、不均一な分散を持つ観察データから、平均に関する因果関係と分散に関する因果関係を別々に推定する新たな因果グラフ推定技術を提案します。提案技術は、理論的なグラフの識別可能性を示すとともに、推定結果の不確実性も定量化できます。これにより、限られた量のデータからでも推定の確実性の高い因果関係を発見でき、創薬、細胞応答解析、経済政策など、複雑な社会・科学現象の理解への貢献が期待されます。

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