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2026年8月14日

お知らせ

機械学習・AI分野の難関国際会議UAIにNTTから2件採択

2026年8月17日から8月21日にかけてアムステルダムで開催される、機械学習・人工知能分野の主要国際会議 UAI 2026(The 42nd Conference on Uncertainty in Artificial Intelligence) において、NTTの研究所から投稿された2件の論文が採択されました。
 UAIは、予測・推論の不確実性を扱う機械学習・人工知能の研究における世界有数の国際会議のひとつです。特に統計的因果推論分野では、世界の第一線で活躍する研究者が集い、基盤的な理論研究から、将来のAI技術を切り拓く先進的な研究成果まで、多くの優れた成果が発表されています。今年の論文採択率は30.5%(投稿数1,087件)と、難関国際会議として知られています。

所属としてそれぞれ略称で書かれている研究所名は、以下の通りです。
CS研:コミュニケーション科学基礎研究所

■Fairness under Graph Uncertainty: Achieving Interventional Fairness with Partially Known Causal Graphs over Clusters of Variables
(グラフ不確実性下の公平性:クラスタ因果グラフを用いた介入公平性の達成)

近原 鷹一 研究主任(CS研)

オンラインの顧客相談を有人相談に切り替えるか否かなど、個人に対する意思決定を機械学習予測で支援するためには、予測精度だけではなく、性別や人種などのセンシティブな属性に対して予測が公平であることが不可欠です。しかし従来技術は、個々の変数間の因果関係の有無・方向を表す詳細なグラフ構造を必要とするため、多数の変数から成る高次元データの場合グラフの推定誤差が蓄積し、公平性の保証が困難になるという課題がありました。本研究では、より容易にデータから推定することが可能な、変数集合(クラスタ)間の因果関係を表すクラスタ因果グラフを用いて公平性を保証する新たな機械学習技術を提案します。人工データおよび実データを用いた実験により、公平性と予測精度のより良いバランスを達成できることが確認されました。今後は因果関係に関するドメイン知識を活用可能な技術へと発展させることで、一人一人が不利益を被ることなく、かつ効率的に意思決定を行うことができる社会に貢献することが期待されます。

■MetaCaDI: A Meta-Learning Framework for Causal Discovery from Multiple Environments with Unknown Interventions
(MetaCaDI:未知の介入を伴う複数の観測データセットからの因果探索を志向したメタ学習の枠組み)

Hans Jarett Ong(奈良先端大学院大)、近原 鷹一 研究主任(CS研)、岩田 具治 上席特別研究員(CS研)

大規模なクラウドシステムや薬剤応答メカニズムなど、複雑な実世界システムの仕組みを理解するためには、システムを構成する変数の間の因果関係の有無・方向(因果グラフ)のみならず、それぞれの環境でどの変数に故障や機能抑制などの介入が生じているかを推定することが重要です。しかし多くの応用では、介入下のデータを大量に収集することは難しく、限られた少数のデータのみから介入標的変数を同定する必要があります。本研究では、複数環境に共通する因果グラフを学習し、その知識を用いて新たな環境における介入標的変数を少数データから推定する、メタ学習に基づく因果推論技術を提案します。複雑な遺伝子発現シミュレーションなどの人工データを用いた実験により、既存手法を大きく上回る推定性能が確認され、今後は医療、創薬、大規模システム運用など、データ収集が困難な現場における意思決定の支援への貢献が期待されます。

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