検索パネルを開く 検索パネルを閉じる メニューを開く メニューを閉じる

2026年10月21日

NTT株式会社

世界初、光ファイバセンシングとAIにより熟練者並みの水道管漏水位置特定に成功
~測定からAI解析まで約15分、技術継承・人材不足の課題解決に貢献~

発表のポイント:

  1. ◆光ファイバセンシングを用いた給水管漏水位置特定技術を世界で初めて実証しました。
  2. ◆漏水修理工事の際に求められる漏水調査精度の目安、誤差80cm以内で正解率80%以上の位置特定精度を達成しました。
  3. ◆経験が浅い作業者でも測定~AI解析まで約15分で漏水位置の自動特定が可能になります。

NTT株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)は、福岡市内のフィールド環境において福岡市管工事協同組合と共同で光ファイバセンシング技術※1を活用した給水管漏水位置特定の実証*に世界で初めて成功しました。本技術により、従来は熟練者の経験に依存し、習得に数年を要した漏水探査の作業が、専門的なスキルを持たない作業者でも熟練者並みの15分程度で可能になります。本実証成果により、地域課題であった漏水探索スキル継承の負担を軽減し、地域社会インフラの持続的な維持管理の実現と人材不足を補う手段として期待される成果です。
 今後は、本成果を踏まえ、漏水位置特定AI解析アルゴリズムの精度と漏水現場における光ファイバセンシング技術の運用性向上を図り、全国の水道事業者・自治体への導入展開をめざします。
 本研究成果は、2026年11月18日~25日に開催されるNTT R&D FORUM 2026※2に展示予定です。
*本実証は、「福岡市実証実験フルサポート事業」に採択され、福岡市協力のもと実施しています。

図1. 光ファイバセンシングを活用した漏水位置特定システム 図1. 光ファイバセンシングを活用した漏水位置特定システム

1. 背景

全国的に老朽化した水道施設への対応が課題となる中、現場では老朽化した水道管における漏水箇所を特定するために専門的な技術が求められています。しかし、技術継承の難しさや作業者不足により、効率的な維持管理体制の構築が急務となっていました。従来技術では、人間の耳で聴きとった音を頼りに漏水位置を推定するため、実務上、誤差80cm以内で正解率80%以上が目標とされる漏水位置特定技術の養成には数年を要していました。
 NTTは光ファイバセンシング技術とAIを活用し、福岡市管工事協同組合と共同で給水管漏水位置特定の実証に取り組みました。

2. 研究の成果

本実証では、地下30㎝から120cmに埋設された給水管直上の地上で漏水に伴う微弱振動をセンシングし、そのデータをAI解析することで、短時間で漏水位置を高精度(水平誤差75cm以内で正解率88%)に推定することに成功しました。測定から解析までのプロセスは約15分で完了し、専門的な熟練スキルを必要とせずに漏水位置を特定することを確認できました。

図2. 解析結果の例(左:振動の特異性解析、右:誤差要件に収まる確率) 図2. 解析結果の例(左:振動の特異性解析、右:誤差要件に収まる確率)

3. 技術のポイント

(1)道路に敷くだけで漏水による微弱な振動を高精度に測定

  • 光ファイバセンシングと集積化光ファイバデバイス※3を用いた高感度な地中振動測定
  • 漏水調査作業者は、デバイスを現場に敷き、5分間の振動測定を行うだけのスキルレス作業

(2)周囲に雑音がある中でも漏水位置をAIで自動特定

  • 環境ノイズにロバストな漏水振動抽出AIアルゴリズム
  • 解析AIが振動波形を高速処理し、他地点と類似しない特異な振動地点を漏水位置として自動推定

4. 各社の役割

  • NTT:光ファイバセンシング技術による漏水振動データ計測およびAI解析技術の提供
  • 福岡市管工事協同組合:現場環境における給水管情報の確認、掘削による漏水位置の確認作業

5. 今後の展開

今後は、実証で得られたデータをもとに解析精度のさらなる向上と漏水位置特定システムの運用性改善を図り、水道事業者・自治体への展開を推進します。地域課題であった漏水探索スキル継承の負担を軽減し、地域社会インフラの持続的な維持管理の実現をめざします。

6. 関連する過去の報道発表

【用語解説】

※1光ファイバセンシング技術:本実証では光ファイバセンシング技術として振動を測定可能な分布型音響センシング技術(Distributed Acoustic Sensing: DAS)を利用。DASは、光ファイバに入射した光の後方散乱光(レイリー散乱)を観測し、その位相やスペクトルの変化から光ファイバに沿った振動(音響)の分布を高密度に計測する技術。NTTでは、独自技術による干渉雑音を抑制した高精度DASを開発。https://www.rd.ntt/iown_tech/post_8.html当該ページを別ウィンドウで開きます

※2NTT R&D FORUM 2026 https://www.rd.ntt/forum/2026/当該ページを別ウィンドウで開きます

Mehr Licht! More Photonics for Intelligenceのロゴ

※3集積化光ファイバデバイス:平面上に光ファイバを高密度に配置・集積したDAS用のセンサヘッドで高い空間分解能と感度を実現。本デバイスにより、高い空間分解能と感度で測定することが可能となる。本実証では、給水管直上の路上に設置し、漏水位置特定に必要な振動データの取得に用いた。

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

NTT株式会社
情報ネットワーク総合研究所
広報担当
問い合わせフォームへ当該ページを別ウィンドウで開きます

ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。

シェアする